投稿

10月, 2023の投稿を表示しています

アメリカCS修士課程での研究機会(主に、機械学習の研究をしたい人にはあんまりお勧めできないという話をします)

イメージ
私は2020年8月から2022年12月までテキサス大学オースティン校 (UT Austin) の修士課程に所属しており、現在はペンシルベニア州立大学 (Penn State) の博士課程に所属しています。修士2年目から研究室に所属して取り組んだ自然言語処理の研究が EACL2023 と EMNLP2023 という学会に採択されて区切りがついたので、 このタイミングで修士課程での研究についての経験をまとめることにしました。 わざわざアメリカにまで来て実績が積めていないことには悩み続けているところではありますが、私の実力からすれば望外の結果でもあるので指導教員と共著者には感謝してもしきれません。微妙なアイデアは容赦なく潰してもらえた毎週のミーティングと、私が書いた文章が残らないくらいの論文への添削がなければ研究の体も成していなかったと思います。 しかし、アメリカのCS修士課程で研究を行うことは容易ではないということも良く分かりました(注:CS学部に所属していましたが 、研究環境については自然言語処理のことしか知りません)。個人的には修士から留学して正解だったと思いますが、一歩間違えれば研究室にすら所属できずに泣いていた可能性もありました。 研究室に所属できるかすらも運によるところが大きく、 研究を志す日本の学生に軽率に勧められるものではないと思います。 私の現在の考えとしては、機械学習分野でアメリカの大学院に所属して研究をしたい学生は、日本の学士課程で業績を作ってアメリカの博士課程に直接出願するか、日本の修士課程で研究をしてからアメリカの博士課程に出願するの手堅いルートだと思います。私のように「良く分からないけどアメリカ行きたいんじゃ」という人は、一緒に気合いで頑張りましょう。 ただし、アメリカに限らない話ですが 大学によって状況は大きく異なります。 研究機会を得やすい修士課程が無いわけではないようです。あとヨーロッパでは状況もシステムも全く異なります。海外大学院への出願を考えている人は広く情報を集めるようにしてください。 この記事では(私の知っている範囲における)アメリカのCS修士課程における研究活動の辛すぎる部分を説明しつつ、私が強運により研究の機会を掴んだ経験を紹介します。読めば分かりますが運が良かっただけの話なので、再現性は全くないです。 私の修士課程の全般につ