東京大学大学院情報理工学系研究科 院試についての記録
普通部(中学校)から10年間お世話になった慶應義塾を卒業し、東京大学大学院に進学することになりました。学士課程は数理科学科統計専攻でしたが進学先は情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻です。NIIの相澤研究室所属となります。
院試勉強をしているときに先輩方のブログを参考にしたので、主に情報系以外からCSに転科する人などの参考になればと思い記録を残します。
2018年(学部3年)
2018年8月〜2019年5月にCMUへの交換留学をしていたのですが、留学の開始前後に東京大学を受験することを決めました。学士課程では機械学習を研究しながら理論的な勉強をしたいという理由で数理科学科に進学したので、大学院ではCSに転科することは当初から考えていました。専門とは全く異なるCS専攻への受験を決めたので、留学中の12月ごろ(入試8ヶ月前くらい)からCSの基礎を学び始めました。
英語は交換留学のためにTOEFL iBTを既に受けていたので良かったです。かなり酷くない限りはあまり合否に関係しないという噂も聞きますが、早めに受けておくと楽だと思います。
2019年(学部4年)
読みたいと思っていた本に軽く目を通してから過去問を解きましたが、3月ごろになっても専門科目が全く解けなくて焦りました。留学中はなかなか時間が取れなかったので、7月に夏期休暇に入ってから少し研究室を休ませていただいて勉強することになってしまいました。
おすすめはしませんが専門科目はかなり山を張りました。アルゴリズム・回路・オートマトン・OSは力を入れた方が良いと思います。以下が勉強に使った書籍リストです。ほとんどは東大のサイトで公開されている参考書籍です。
- 大学院入試問題[数学] 1 2
- オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing) (かなり読んだ)
- 岩波講座 ソフトウェア科学〈〔環境〕6〉オペレーティングシステム (かなり読んだ)
- 坂井修一 論理回路入門 (かなり読んだ)
- コンピュータの構成と設計 第5版 上・下
- IT Text 離散数学
以下、ほとんど読んでいない本です。
- 型システム入門 プログラミング言語と型の理論
- 統計的機械学習―生成モデルに基づくパターン認識
- 元から機械学習が専門なのであまり読む必要がなかった。機械学習の問題は数学系の人には得点源になるので勉強はした方が良いと思います。
- 工学基礎数値解析とその応用 (新・工科系の数学)
- 数理科の授業で扱っていたため、それほど読む必要はなかった。数値解析も数学系の人は得点源になると思います。
- 東大の理系数学27ヶ年
- 東大学部入試の本。確率の出題傾向が似ていると思って買った。
試験
本番は気にしていた専門科目ではなく、1日目の数学で撃沈してしまいました。普通は面接が1回しかないのですが、(おそらく)ボーダーライン上の人は2回目の面接があるようです。主に内部生向けの制度のようで、外部生は数人しか受けない2回目の面接まで行くほどギリギリでしたが、なんとか合格することはできました。
得点開示の結果は数学が135/300、専門科目が406/800でした。専門科目が厳しいことは分かっていたので半分とれれば満足なのですが、そこの不利を数学で挽回するつもりだったので酷い結果でした。合格点は6割くらいという噂があるので、酷さが分かると思います。僕はTOEFL iBTが110点、GPAは3.9以上なので、それも含めて考えると試験の点数は合格者最低点に近いと思います。
反省
数学科なので数学はあまり勉強しなかったのですが、冷静に考えてみれば僕は統計専攻なので解析とかは特別に得意ということもなく、もっと対策すべきでした。そもそも、統計専攻なのに秘書問題も落としているので何も言えません。内部生は優秀なので数学も普通に解いてきます。すごい。