テキサス大学オースティン校CS修士課程の記録(機械学習の研究をしました)

2020年8月にテキサス大学オースティン校に入学し、2022年12月に卒業しました。コンピュータ科学学部に在籍し、機械学習(自然言語処理)の研究に取り組みました。アメリカの修士課程はコースワークが中心なのですが、修士課程でも研究を行いたい人の参考になれば嬉しいです。

奨学金

修士課程では進学先の大学からお金をもらえることは少ないので、日本で奨学金を得て進学している人が多いと思います。私は学部生のときに在籍していた慶應義塾大学の卒業生を対象とした「慶應義塾大学グローバルフェローシップ」という奨学金をいただくことができ、自己負担はほとんどなく修士課程を終えることができました。修士課程への進学で奨学金をもらうことは難易度が高いようで、この奨学金以外は全て落選してしまいました。慶應義塾には感謝してもしきれません。

1年目

入学したときは新型コロナウイルスの影響があったので、最初の1学期は日本からリモートで受けることにしました。次の学期にはオースティンで受けましたが、授業は全てリモートでした。

研究を行いたかったので自然言語処理を研究している教員に連絡をしたのですが、まずは担当している授業を受けるように言われました。自然言語処理の授業が開講されており、期末課題として研究プロジェクトを行うことになっていたので、学生が研究をアピールする機会になっているようです。

インターン

研究実績がほとんどなかったので研究職のインターンは落ち続けていたのですが、なぜかAmazonのイギリス・ケンブリッジでのインターンに採用してもらうことができました。この年は24個のインターンに応募して1個しか受からなかったです。

6ヶ月までインターンの期間を選ぶことができたので、休学をして2021年7月から12月までインターンを行うことにしました。修士1年目ではまともに研究ができなかったので、5ヶ月間集中して研究ができたのは良い機会になりました。研究成果は多少あったのですが、インターンが終わるまでには論文をまとめることができず、インターンが終わってからは自分で内部のデータにアクセスすることができなくなってしまうので手間が多すぎることもあり論文化は断念しました・・・。

2年目

インターンの効果もあったのか、2年目からは研究室に所属して指導をしていただけることになりました。MSCSは頑張れば3学期で修了できるのですが、私は4学期をかけて修了することにしたので、ある程度は余裕を持って研究に専念することができました。

非常に丁寧な指導をいただくことができ、2本の論文を書くことができました。1本目はEACL2023に採択され、2本目も国際学会に提出しています(更新:EMNLP2023に採択されました)。

進路

他のCSの修士課程の多くの学生は就職を志望していて、GAFAMなどのSEになる人が多い印象でした。修士卒で研究職を目指している人は少ないというか、あまり現実的な選択肢とは考えていない人も多いようでした。

私はPenn StateのPhD課程に進学することにしました。PhDの入試については他の記事に書きました。出願時の研究実績としては非常に少なかったこともありPenn State以外の学校は不合格になってしまいましたが、NLPの研究者が増えつつあるPenn Stateで研究を行うことができるのは楽しみです。

このブログの人気の投稿

アメリカCS修士課程での研究機会(主に、機械学習の研究をしたい人にはあんまりお勧めできないという話をします)

東京大学大学院情報理工学系研究科 院試についての記録

アメリカCS博士課程への出願の記録(機械学習、自然言語処理)