CMUへの派遣交換留学についての記録
派遣交換留学制度を利用して大学3年生の8月(2018年)から4年生の5月(2019年)までカーネギーメロン大学に滞在していました。CMUではデータサイエンス学部に所属していました。
授業
交換留学生は学位要件がないので、所属していたデータサイエンス学部以外の授業でも比較的自由に授業を履修することができました。一方で交換留学生の優先度は低いので、履修者の多いCSの必修授業などは履修できないことがほとんどでした。それ以外の授業でも履修するだけでも事務の方に何度も連絡する必要があり、とても面倒でした。
結果として必修ではない応用分野などの授業を多く履修することになりましたが、内容としては面白かったと思います。うわさ通りアメリカの授業は課題が多く、特にプログラミングの量が多い授業は大変でした。特に1学期をかけて課題で検索エンジンを実装していく授業は勉強になることが多かったです。
CMUの授業は難易度が高いのではないかと身構えていたのですが、授業や試験で極端に困ることはありませんでした。難易度としては後に東京大学大学院で履修した授業の方がよほど苦労した印象があります。
研究
私はアメリカの大学院への進学を視野に入れていたので、交換留学の期間に研究をおこなって論文を書いたり研究室とコネクションを作ったりしたいと考えていました。しかし、当然ですがCMUの教員は忙しく、研究経験の乏しい交換留学生の相手をしている余裕があるような教員はいないということが分かりました。当時はアメリカの大学の状況を理解していなかったのですが、そもそも正規性ですら研究室に所属できる学部生はごく一部なので、良く分からない交換留学生は相手にされないのが当たり前だと思います。
私は幸運にも在籍している慶應義塾大学の先生にCMUの教員を紹介していただけたのですが、やはり研究の指導をするような余裕はなかったようで学生がおこなっている輪読会に紹介してもらうことしかできませんでした。それでも空気を読まずに何度も研究案を提案していたところ、たらい回し先としてテキサス大学オースティン校の教員を紹介していただくことができました。残念ながら研究としては上手くいかなかったのですが、UT Austinの方はとても親切にしてくれて、後に修士課程への出願にて推薦状を書いていただくことができました。
感想
交換留学は1年という限られた期間だったこともあり、授業はともかくとして研究については理想通りに取り組むことはできませんでした。せっかくCMUの教員を紹介してもらったので他の教員にはあまり連絡をしなかったのですが、もう少し色々な人にコンタクトを取れば良かったと思っています。
一方で1年とはいえCMUに在籍できたことは良い経験になり、CMUでも平均的な学部生は極端にレベルが高いわけではないんだなという印象を受けたことでアメリカの大学院に進学することへの心理的なハードルが下がったと思います。
実際には、アメリカの大学院は留学生も含めて異常な倍率を潜り抜けて入ってくるので、同じ大学でも学部生とはレベルが全く違うということを後に学ぶことになります。